Col de Turini

ルノーとモンキー50を中心に好きなモノ、コトについて書いています

Nakamichiサウンド 復活イヤホン

かつてのオーディオメーカーのNakamichi(ナカミチ)は2002年に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産をしている。ただNakamichiを神格化したユーザーは残り、高音質ブランドイメージはの当時のまま今日に至っています。名機と呼ばれる過去の製品はいまだに中古市場では価値があり高値で取引されています。

 

iPod,iPhoneから始まる気軽に音楽を聴ける環境、デジタル音源の普及により、音楽は聴くものではなく聞くものに変化し、質より手軽さを求めるユーザーが大半となった。昨今のイヤホンブームと製品の充実化はそれが理由だとの疑いの余地はないが、かつてのピュアーディオの高音質へのあくなき追求と同じようにイヤホンへの高音質化の波も押し寄せてきている。さらに無線と有線での狭間での高音質化は佳境をむかえている。

 

そんな中、発売されたのがかつての高音質ブランド、NakamichiのELITO PRO TWS600である。先述した通りあのNakamichiかというと、そうではなくブランドを買い取った中国のメーカーからの製品化なのだが、ナカミチのブランド復活イメージを持ったユーザは気になってしまう。今っぽく、クラウドファウンディングで支援し手元に届くまでは半年を要してやっと現物を手にすることができました。

 

高級感漂う立派な梱包の中には、本体、ケース、有線ケーブル、充電ケーブル(USB-C)、イヤーパッドゴム製(L/M/S)、コンプライの恐らくMサイズ、が収まっていました。1サイズですがコンプライが付属されていたのは驚き。コンプライ大好きな自分としてはとりあえず余計な出費がないので好印象です。

 

クラウドファウンディングでの支援は結局1500ユーザとなり、今頃は全てのユーザーがこの製品を手にとったことになります。そのうちの人である自分がNakamichiブランドにふさわしいのかを確認してみた。

https://www.makuake.com/project/nakamichi/

 

結果から言うと有線、無線共に価格以上の高音質を実現しています。音の傾向はナチュラルとドンシャリの間くらいかなといった感じ。低音は確かに音圧も高く、しっかりと迫力がある。さらに高音は解像度が高い分細かい音一つ一つがはっきりとしている。少しシャリ感を感じるが、全体的に解像度が高いという印象で、第一印象で高音質な部類に入る思います。

 

購入価格24800円、今のイヤホンの価格としてはお手頃の部類に入るかと思う。しかもSONYやSENHAIZERといっや3万円後半のワイヤレスイヤホンと比べても遜色なく、むしろこっちの方が音は良いと感じる。有線にすれば当然文句なくこちらの方が良いと感じる。ちなみに無線と有線の音質の差は2割増といった感じで、解像度と音域がワイドになった感じとなる。

 

無線の優秀さは解ったが有線のレベルは如何程か。カスタムIEMで有名かつ高音質のイヤホンを製造している中国のメーカー、UNIQUEMELODY(ユニークメロディー)のMACBETH(マクベス)との比較をしてみると、音質はほぼ同等といった印象。しかし少しドンシャリ傾向(高解像度化)の影響があり、落ち着いた音質を望む人にとってはMACBETHの方に軍配が上がるかもしれないが、その差は僅差と伝えておきます。MACBETHは購入当時7万円クラスのモデルで有線のみということをつけ加えておきます。

 

無線接続については大きな不具合を感じたことがありません。むしろSONYよりも確実に接続できるといった印象。人混みでの接続切れなどはまだ未経験ですが、かなりいい感じだと思います。遅延についてもかなり優秀で、過去のBlutooothイヤホンと比べても一番少ない部類に入ると思います。

 

ただ無線からそのまま有線に変更する場合。そのままプラグに差し込むと無線状態ではっきりとしたノイズが入ってきます。これは意識的に無線をオフにして、有線接続する必要があります。無線と有線が自動的に切り替われば言うことなしです。

 

唯一残念なのがノイキャン機能が未搭載ということ。メーカはパッシブノイキャンとして耳栓構造でノイズを入れないコンセプトを謳っていますが、現実はノイキャンなしです。ただ音楽が鳴っていれば高音質で音がしっかり聞こえるので、ノイズはそれほど気にならないですが、、、ノイキャン無しの評価に変わりはありません。

 

ケース外観は以下の通り。SONYのWF-1000WMと比較すると少し大きめとなりますが、無線充電にも対応しています。

 

装着感はSONYより少し小さいので、耳の小さめの人でも違和感なく装着できると思います。カナル型イヤホンの典型なので、それが嫌の方は向かないかもしれません。

 

Uniquemelody MACBETHとの比較。こちらに比べてもひと回りくらい小さくできています。Blutoothも入ってこのサイズは驚異的です。こういったカスタムIEM的な形状が好きな方には最高な装着感とデザインです。このテロテロした光沢感は所有欲を掻き立てられ、たまりません。

 

有線ケーブルはMMCXタイプなのでグレードアップの幅も広く、更なる高音質化も可能かもしれません。いまのところ純正品しか試せてはいませんが、擦れ音や絡まりなど実用的には問題ないレベルだと思います。

 

まとめるとコスパは最高で、価格を抜きにしても無線4万円クラス、有線7万円クラスの高音質が味わえます。ただ入手するにはクラファン以外でできるかどうかはわかりませんが、中古市場には少し出回っているので気になっている人はチェックしてもいいかもしれません。そこそこ安値が出ているところもありました。